Comments
※敬称略・順不同
不器用にしか生きられない人たちの間に生まれるおかしさや温かさがあって好きです。映画『しんしんしん』を見て、とても惹かれた奥津裕也さんと眞田監督の関係、また、奥津さんと中村有さんとの間に流れる空気がとても魅力的でした。現実の世界では2度目の原発事故が起きませんように。
今泉力哉(映画監督)
眞田康平監督は、どうしようもない人間のどうしようもない優しさを描くのが上手い。「しんしんしん」の時にも思ったのだけれど、登場人物に愛おしさを感じずにはいられないのだ。そして、奥津裕也が人間味があって静かで、とても良い。
大島葉子(俳優)
演劇的な企みが奏功している。寓意に満ちた近未来、絶望的な閉ざされた舞台で男たち女たちが罵り合う。救いを求めず、重い荷物と向き合い、未来のない未来を語る主人公の虚しさが切なく愛しい。タガが外れてしまった現世(いま)を生きる我々が見るべき青春映画である。アメリカンニューシネマの臭いがする。
栢野直樹(撮影監督)
私はこの作品のオーディションを受けて落ちました。オーディションに落ちた人間が作品のコメントを書くのは不思議な感覚です。撮影の松井宏樹さんの切り取るフレームが素敵だ。被写体とカメラと光の関係が調和している。松井さんが構えるカメラの前で芝居する自分を想像してみる。
鈴木宏侑(映画監督・俳優)
映画なのに、物語なのに、お芝居なのに、、わかってるのに、、現実がそこにあるみたいで重く、苦しく、嫌悪すら覚えました。優しさとか温もりとか、ある様で無くて、無い様で絶対にあって。。。見終わった今も思考が追いついていません。ですが、私は空間や隙間を魅了する事ができるダンサーが好きです。この映画には沢山その表現を感じました。ヒロインの杏樹ちゃん。私の知ってる小さな子供頃の杏樹ちゃんとは見違える程の存在感と不思議な魅力を纏ってた事に驚きました。そして、いつのまにかマリの心情に入り込んでいる自分がいました。杏樹ちゃん演じるマリを見て私は「あぁ、素晴らしい作品に出会えたのだぁ。」て心からそう思えました。
YOSHIE(ダンサー)
眞田監督の映画は「いい匂い」がする。どのカットを観ても人間の輪郭が映し出されているからだ。そして、自らの手でグラスをひとつずつ割っていくような登場人物の危うさから目を離せない。人ってこんな顔で笑うんだ。と今回も勉強させてもらった。彼らと共に彷徨いながら「居場所」に手を伸ばして欲しい。
奥田裕介(映画監督)
闇を照らす、わずかな光、それが、愛であり、友情。私たちが生きているこの時代に、こんなことが起こるとは思えないことがおこる今、改めて、その大切さを、考えさせられる映画となりました。
高橋篤(ソウルシンガー)
なんとなく他人事にして遠ざけているような世界がギュウギュウに詰まってました。大学時代、テレビで流れる暗いニュースをみて「テンション下がるからこういうのホントみたくないわー」と言っていた同級生がいましたが、そういう人こそこの映画を観て大いに喰らえばいいと思います。
塚本直毅(ラブレターズ・お笑い芸人)
炎を灯す筈が、ピストルライターの引き金を引くたびに後戻りできなくなっていく。まるで不器用な人間の行き着く先を、武器を模したライターが象徴しているように。
達也、諒、マリの三人のお互いを思う優しさが本当に切なくて、どのシーンも目が離せない。息詰まる展開を見事に演じるキャストと、丁寧なスタッフワークも完璧です。
長谷川朋史(映画監督)
見捨てられた痛みの地に引き寄せられた三人三様に背負う捨てられ感が、シーンごとに胸の奥までずんと染み込んできました。痛い。決して癒えることのない傷口が、ひりひりと痛くてならなりません。それでももだえあがいて、軋む火花がいっそうまぶしくスパークし、それが泣きたいほどに美しいのはなぜだろう。彼らだけじゃない。かき集められたどうしようもない者たち。逃げられない不器用な心。そしてクズのしぶとさ! そうだ。この映画は人間を抱きしめている。あきれののしりながら、とことん人間をどん底まで愛すると、むしろそうあきらめたまなざしだ。とっくの昔にやめた煙草を、私はまたぞろ無性に吸ってみたくなりました。
原浩一郎(作家)
「1985 今 この空は 神様も住めない」ある歌の一節を思い出した。ピストルに込められた鉛は、ダーサナ(眞田監督)の怒りと悲しみだった。人と金のシステム、女と男と男の涙、ブルーシートから突き出た右腕。けれど、最後のカットで確信した。ピストルライターが灯した小さな炎は紛れもなくダーサナの祈りだった。
金允洙(映画監督)
男二人と女一人、不器用な三人の想いはうまく交わらない。でもこの三人をいつまでも見続けたいと思った。映画を観終わって爽快感や微かな希望と同時に、同じ事が繰り返されている世の中に対する無力感に襲われ、何かを変えなければお前の人生終わっちまうぞ!と突きつけられた。登場人物たちが藻掻くどうしようもない閉塞感の中、奥津裕也さん演じる達也の笑顔にホッとした。
市橋浩治(プロデューサー)
俳優たちの顔と佇まいが印象に残る。それは、滅んだ世界の残像のようだった。
廣原暁(映画監督)
現実に似せたようなリアルっぽい映画よりも、現実に即し何かを投げかけているような行動的な映画が好きだ。そういう意味では『ピストルライターの撃ち方』はアクチュアル極まりない。現実を撃とうとしている。その意志だけで、ご飯がおかわりできる。お酒も飲める。これが映画だ。映画。
瀨々敬久(映画監督)
眞田康平監督の『しんしんしん』でテキ屋を演じ印象に残った奥津裕也が、眞田組で主演を務めたと聞いただけで嬉しくなった。奥津裕也は顔面力が高い。かったるそうな表情の中に、底知れぬ凶暴性と繊細さを兼ね備えた顔を持つ。
『MAD探偵』のラウ・チンワン、『薄氷の殺人』のリャオ・ファン、そして今作『ピストルライターの撃ち方』の奥津裕也。三者に共通するものを感じてしまうのは自分だけではないはずだ。眞田監督の演出によって、光を放つ奥津裕也の顔を見よ!
松浦祐也(俳優)
なすすべもなくて、忘れさせられてしまっているのか。自分が情けない。スクリーンから、この映画をつくられた皆さんの福島や原発への思いが滲み出てきて、震える。美しい朝日の射す、空気と地面を観て絶望しそうになったけど、それではいけないと強く思いました。
水澤紳吾(俳優)
すくった水がいまにも手から零れ落ちていくような刹那と不器用なやさしさを併せ持つ者達の行く末を固唾を呑んで見守った。やさしさの暴走を止められるのは果たしてピストルライターなのか。観終わって、ザ•ブルーハーツの「44口径」が聞きたくなった。
木村知貴(俳優)
のっけから、自分が忘れようとしてること考えたくないこと逃げたいことを突きつけられるような奥津さんの、中村さんの、黒須さんの顔、顔、顔、安易に解釈しようとしていた私は何回もぶん殴られた。己が己であろうとすることってそんな単純なことじゃないよなって思った。
西山真来(俳優)
登場する人物達が、ただただ一生懸命に生きていた。本当は弱くて。でも強く生きたくて。現実にも他人事ではないかもしれないこの不安はいつもどこかにあって、重たくて怖くて、苦しくなった。でも希望は持って生きていたいと、改めて思った。主演の奥津裕也さんをはじめ素晴らしいキャスト陣が繊細に演じられています。是非とも多くの方にご覧いただきたい作品です!
及川奈央(俳優)
「ニュースで見る、新聞で読む、人から聞く話の奥には、それぞれの人間のストーリーがある。全部がその人々のリアルで、生々しく、力強いんだ」
岡本多緒(俳優)
奥津裕也 中村有 黒須杏樹
杉本凌士 小林リュージュ 曽我部洋士 柳谷一成 三原哲郎 木村龍 米本学仁
古川順 岡本恵美 伊藤ナツキ 橋野純平 岡本智礼 澤真希 森由佳 宮本和歌子 小田哲也 順哉
高山陽平 實川阿季 烏森まど 宮後真美 籾江悠 古澤和久 阿部重寿 佐藤英行 ワッキー貝山 大森昇 山本力
竹下かおり 佐野和宏
監督/脚本:眞田康平 プロデューサー:奥村康 撮影:松井宏樹 録音:高橋玄 音楽:長嶌寛幸 美術:飯森則裕 助監督:登り山智志 ヘアメイク:香理
製作協力:株式会社キャンティック 佐藤ラス工業 株式会社エフビーエス 株式会社オブオールカヤバ 有限会社でぃあたいむ 株式会社アクティブコーポレーション
製作:映画「ピストルライターの撃ち方」製作委員会 配給協力:Cinemago 映倫番号:123155 区分:R15+
2022/DCI scope/color/5.1ch/121min
映画『ピストルライターの撃ち方』公式サイト